愛着ある街を活性化したい方へ


生まれ育って愛着のある街なのに
昔は人で賑わっていた中心市街地は
すっかりシャッターが目立つようになり
人通りもまばらになってしまった。
この街で育った子供たちも大学を機に
出て行ってしまい、帰ってくるのは
お正月だけ。昔は子供も多かったのに
今では子育て世代も減ってしまった。
近くにはまた県内最大級のイオンが
できるという。それに伴い
かろうじて残っていた昔からの店は
閉店するだろう。
このままこんな状況を放っておいて
いいのだろうか?
もちろんこのまま放っておいたら
より一層シャッターは閉じ、どこに
行くにも車に頼るしかなくイオンが
一人勝ちするだけでしょう。
さびれてしまった街に魅力を見出せない
若い世代は大人になるにつれて
その街を出ようとする一方。
特に能力の高い人ほど、自分の力を
試しに首都圏に移り住んでは
帰ってこないかもしれません。
自分にとって愛着のある街なのに
大切に育てた子供やその下の世代が
離れていってしまう。それはとても
悲しいことだと思います。できれば
彼らに残ってほしい、この街の
未来を輝かせてほしい、東京に
行くことは反対しなくても、
心の底ではそう思っているのでは
ないでしょうか。
私は学生時代に全国を旅するなかで
地方が急速にさびれていく姿を目にし
とても悲しく思っていました。
また、全国各地に人生を
かけてその街のために奮闘している
人がいることも知りました。
そんな人たちを助けたいという思いで
10年ほどかけて研究し、執筆したのが
『インフォーマル・パブリック・
ライフ〜人が惹かれる街のルール〜』
という本です。
この本では、若い世代や能力のある
人たちは一体街のどこに惹かれるのかを
先行研究や私自身が国内外の
数多くの街を訪ね歩いた経験を通して
詳しく分析しています。
そしてたどり着いた結論が、彼らが
必要としているものは「インフォーマル・
パブリック・ライフ」、つまり街中で
自分らしくリラックスして時を
過ごせる場だということです。

Informal Public Life

インフォーマル・パブリック・ライフとは


  「素晴らしい公共空間は魔法のようなもので、そこから生まれる幸福は止むことがない。というのも公共空間はほとんど幸福そのものだからだ」とコロンビアの首都、ボコタを変えた元市長のエンリック・ペノロサ氏は述べています。店で買い物をする時、その瞬間は嬉しくても、数日もするとその幸福感が薄れてしまうことが多いもの。それに対して、優れた公共空間を何度訪れても幸せを感じられるのは、そこで過ごす時間こそが人の幸せそのものだからではないでしょうか。

 

 インフォーマル・パブリック・ライフを一言で表すと、気軽に行けて、予期せぬ誰かや何かに出会えるかもしれない場所で、リラックスした雰囲気が特徴的。インフォーマル・パブリック・ライフはあたたかい。そこには人間本来のあたたかみや優しさが凝縮しているかのよう。私は彼らを知らないけれど、彼らと一緒の場所で時を過ごすことで、大事なものを共有しているような気になれる。インフォーマル・パブリック・ライフは気取らない。老若男女、外国人だけでなく、犬、猫、鳩、波の音など様々なものが交わっている。誰しもがそこに居ること、たたずむことをゆるされる。おいしそうな香りがどこからともなくただよってくる。ひとときをそこで過ごし、目の前の誰かをぼんやり眺めていることで、自分の人生がいかにせわしなかったかに今更気づく。

大道芸人もいればガラクタを売っている人もいる。色んな人がいるなかで、人類皆兄弟のような気になれる。そこには活気があり、たった一人で訪れても一人ぼっちという気にならず、気分の落ち込んだ時に訪れたらちょっと気持ちが上向きになる。そこは人々の前向きで幸せなエネルギーで満ちている。皆そこで過ごす時間をレスペクトして、わざわざその場にやってくる。今すぐ家に帰りたくない、今すぐ仕事に行きたくない、そんな気持ちを抱えたままで、あえてそこに寄り道をする。そこでしばらく過ごしていると、さっきまでの悩み事が気がついたら消えていく。なんだ、こんな人もいたんだわ。自分の知っている狭い世界だけが世界ではない、もっと広い世界があったはずなのだ。誰かと言葉すら交わさなくても、ちょっと前向きな気分になってよし、頑張ろうと思える場、それがインフォーマル・パブリック・ライフ。

  インフォーマル・パブリック・ライフとは以下の要件を満たす、公共空間でのリラックスした時間。それはまるで魔法のように人を惹きつけ、人を吸い寄せる力を持っています。

 

・朝から夜までどんな時間でも人がいる

・誰にでも開かれており、誰しもがそこでゆっくりすることが許される

・あたたかい雰囲気があり、一人で訪れても、誰かと一緒にいるような安心感がある

・そこに行くと気持ちが少し上向きになる

・そこでは人々がリラックスしてくつろぎ、幸せそうな表情をしている

 そこには、ここではこうすべき、こう振る舞うべき、という社会的コードがないため、身分に縛られず、自分らしく振舞うことが許されます。日本でも人が集まるイベントや場づくりに、カフェや広場といった名称が使用されているように、カフェと広場には共通点が存在するのです。その共通点とは場に1つの明確な目的が設定されていないこと。八百屋は野菜を買うため、ワインショップはワインを買うために行く場所ですが、カフェは飲み物代さえ払えば友人と話をする、本を読む、手紙を書く、ゲームで遊ぶなど、何をしても許されます。広場も同様であり、広場という大きな空間自体にはその場の明確な目的が設定されていないからこそ、人々は他の場で要求されるコードから自由になれるのです。


講演&ワークショップのご案内


なぜインフォーマル・パブリック・ライフが
必要なのか?そうした場をつくり
街に賑わいをもたせるためには
一体何が重要なのか?
これまでの日本のまちづくりは
かなり試行錯誤的なものが多く
まちづくりの基本文法を知らないまま
個々人が頑張るというものが多かった
ため、どんなに個人が努力をしても
街の活性化には至らないことも
ありました。
この講演&ワークショップでは
インフォーマル・パブリック・
ライフの重要性やその創り方を
まずお話させていただきます。
その後参加者とともに実際にまちに
繰り出し、新たな視点で街を
眺めます。そしてその気づきと
ともに、現在の街の課題と今後
望む方向性をそこに住んでいる方の
意見をしっかり引き出しながら
掘り下げていきます。
こうしたワークを行うことで、
これまで人々の感覚の中には
あったけれども言葉にまで
していなかった問題点や本当は
あったらいいなと思っていたものが
クリアになっていきます。
また、インフォーマル・パブリック
ライフという新たな視点で街を
見ることで、なるほどここを
こう変えたらいいのかというのが
わかってきます。
ワークショップやシェアを通じて
その未来像を可能な限り可視化
していくと、あたかもそれが
あって当然かのように参加者の中に
クリアに認識され、それが変革の
第一歩になっていきます。
その後は変化を起こすための
行動に落とし込むにはどうすれば
いいか、具体的なステップを
ともに考えます。
そうすることで、住民たちが本当に
望む街、つまり満足度の高い街の
あり方により近づくことができます。
まずは住民たちが愛着と誇りのある
住み続けたい街になることで
次第にそこが注目され、外部の人も
やってくるようになるのです。
何事も達成するにはそのための
ステップやルールがあるものです。
まちをより豊かで賑わいをもたせる
ためのルールを参加者全員で学びつつ
今度こそまちに変化を起こしてみませんか。
この会が数年後の未来から見た時に
「あの会があったおかげで
今の姿があるんだ」と言われるような
場になってほしいと思っています。

ご興味があればぜひお問い合わせ下さい。


『インフォーマル・パブリック・ライフ』の著者による、街に賑わいを生み出す7つのルールのレクチャー&住民主体のまちづくりワークショップ


自分の街から若い世代が離れていくのをなんとか止めたい、もっと若い世代や次世代を担う人たちを惹きつけたいという想いでまちづくりをされている方向けに、『インフォーマル・パブリック・ライフ〜人が惹かれる街のルール〜』の著者による、まちづくりワークショップを出張開催いたします。街は誰のものなのか?という問いに対して世界中で出てきた答えは街は私たちのものである、ということです。

その街でずっと暮らすことになるのは開発したディベロッパーでも建築家でもなく、住民です。それなのに一般の人たちはそれ相応の肩書きがないという理由によって滅多に発言することができません。住民主体のまちづくりのためには、まず私たちが勇気を出して口を開くことが大切です。人を惹きつける街にとっての重要なポイントをしっかりお伝えするだけでなく、長年のカフェ的な場づくりの経験を活かし、参加者が驚くほど主体的に話しはじめるワールド・カフェの手法をつかって、私たちが本当に望んでいる街の姿を考え、実際に変えていくための一歩を踏み出すお手伝いができればと願っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。


講演・ワークショップ活動実績 2024年5月〜


・出版記念パーティ(東京、丸の内 アルカナ東京)

・出版記念講演会(東京、八重洲ミッドタウン)

・全国エリアマネンジメントネットワーク総会での講演(東京 虎ノ門ヒルズ)

・大阪適塾路地奥サロンでの講演(大阪 中之島)

・代官山 ヒルサイドテラスでの講演

・薩摩会議 湯之元セッションでの登壇(鹿児島 日置市)

宇沢弘文氏没後10年記念イベントでの登壇(東京 国連大学)

・宮崎県 都城市にて講演とワークショップ

・長野県 小布施 未来構想カレッジにて講演とワークショップ

・グリーンビルディングジャパン  シンポジウムにて登壇(東京 神田明神)

・喫茶ソラクラゲでの講演(東京 国分寺)

・ひのでやエコライフ研究所にて講演(京都 二条)

・カフェ LURIEにてトークイベント(東京 祐天寺)

・鹿児島 otonariにて講演(鹿児島 栄門)

・日本ファシリテーション協会東京支部にて読書会(オンライン)

・東京、北品川 再開発を考える地元住民の勉強会にて講演

・滋賀県米原市、ルッチまちづくり大学にて講演・まちあるき・ワークショップ

・福岡県 ブックスキューブリックさんにて講演

日本最大級のエシカルイベントMOFFにて登壇(東京 原宿)

・名古屋、名城大学社会連携フォーラムにて基調講演

・サステナブル都市計画家、山崎満広さんと対談(東京・上野)


宮崎県、都城市での講演・ワークショップ


新聞に掲載された書評


西日本新聞6月8日朝刊


日本経済新聞2024年6月6日夕刊「目利きが選ぶ3冊」


ラジオ出演


茨城放送 Luckey FM ダイバーシティニュース 藤沢烈さんとの対談 6月10日


書店


丸善ジュンク堂、蔦屋書店、紀伊国屋書店、大垣書店など、多くの書店様で発売後1ヶ月以上にわたって平積みしていただきました。