「素晴らしい公共空間は魔法のようなもので、そこから生まれる幸福は止むことがない。というのも公共空間はほとんど幸福そのものだからだ」とコロンビアの首都、ボコタを変えた元市長のエンリック・ペノロサ氏は述べています。店で買い物をする時、その瞬間は嬉しくても、数日もするとその幸福感が薄れてしまうことが多いもの。それに対して、優れた公共空間を何度訪れても幸せを感じられるのは、そこで過ごす時間こそが人の幸せそのものだからではないでしょうか。
インフォーマル・パブリック・ライフを一言で表すと、気軽に行けて、予期せぬ誰かや何かに出会えるかもしれない場所で、リラックスした雰囲気が特徴的。インフォーマル・パブリック・ライフはあたたかい。そこには人間本来のあたたかみや優しさが凝縮しているかのよう。私は彼らを知らないけれど、彼らと一緒の場所で時を過ごすことで、大事なものを共有しているような気になれる。インフォーマル・パブリック・ライフは気取らない。老若男女、外国人だけでなく、犬、猫、鳩、波の音など様々なものが交わっている。誰しもがそこに居ること、たたずむことをゆるされる。おいしそうな香りがどこからともなくただよってくる。ひとときをそこで過ごし、目の前の誰かをぼんやり眺めていることで、自分の人生がいかにせわしなかったかに今更気づく。
大道芸人もいればガラクタを売っている人もいる。色んな人がいるなかで、人類皆兄弟のような気になれる。そこには活気があり、たった一人で訪れても一人ぼっちという気にならず、気分の落ち込んだ時に訪れたらちょっと気持ちが上向きになる。そこは人々の前向きで幸せなエネルギーで満ちている。皆そこで過ごす時間をレスペクトして、わざわざその場にやってくる。今すぐ家に帰りたくない、今すぐ仕事に行きたくない、そんな気持ちを抱えたままで、あえてそこに寄り道をする。そこでしばらく過ごしていると、さっきまでの悩み事が気がついたら消えていく。なんだ、こんな人もいたんだわ。自分の知っている狭い世界だけが世界ではない、もっと広い世界があったはずなのだ。誰かと言葉すら交わさなくても、ちょっと前向きな気分になってよし、頑張ろうと思える場、それがインフォーマル・パブリック・ライフ。
インフォーマル・パブリック・ライフとは以下の要件を満たす、公共空間でのリラックスした時間。それはまるで魔法のように人を惹きつけ、人を吸い寄せる力を持っています。
・朝から夜までどんな時間でも人がいる
・誰にでも開かれており、誰しもがそこでゆっくりすることが許される
・あたたかい雰囲気があり、一人で訪れても、誰かと一緒にいるような安心感がある
・そこに行くと気持ちが少し上向きになる
・そこでは人々がリラックスしてくつろぎ、幸せそうな表情をしている
そこには、ここではこうすべき、こう振る舞うべき、という社会的コードがないため、身分に縛られず、自分らしく振舞うことが許されます。日本でも人が集まるイベントや場づくりに、カフェや広場といった名称が使用されているように、カフェと広場には共通点が存在するのです。その共通点とは場に1つの明確な目的が設定されていないこと。八百屋は野菜を買うため、ワインショップはワインを買うために行く場所ですが、カフェは飲み物代さえ払えば友人と話をする、本を読む、手紙を書く、ゲームで遊ぶなど、何をしても許されます。広場も同様であり、広場という大きな空間自体にはその場の明確な目的が設定されていないからこそ、人々は他の場で要求されるコードから自由になれるのです。
ご興味があればぜひお問い合わせ下さい。
自分の街から若い世代が離れていくのをなんとか止めたい、もっと若い世代や次世代を担う人たちを惹きつけたいという想いでまちづくりをされている方向けに、『インフォーマル・パブリック・ライフ〜人が惹かれる街のルール〜』の著者による、まちづくりワークショップを出張開催いたします。街は誰のものなのか?という問いに対して世界中で出てきた答えは街は私たちのものである、ということです。
その街でずっと暮らすことになるのは開発したディベロッパーでも建築家でもなく、住民です。それなのに一般の人たちはそれ相応の肩書きがないという理由によって滅多に発言することができません。住民主体のまちづくりのためには、まず私たちが勇気を出して口を開くことが大切です。人を惹きつける街にとっての重要なポイントをしっかりお伝えするだけでなく、長年のカフェ的な場づくりの経験を活かし、参加者が驚くほど主体的に話しはじめるワールド・カフェの手法をつかって、私たちが本当に望んでいる街の姿を考え、実際に変えていくための一歩を踏み出すお手伝いができればと願っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
・出版記念パーティ(東京、丸の内 アルカナ東京)
・出版記念講演会(東京、八重洲ミッドタウン)
・全国エリアマネンジメントネットワーク総会での講演(東京 虎ノ門ヒルズ)
・大阪適塾路地奥サロンでの講演(大阪 中之島)
・代官山 ヒルサイドテラスでの講演
・薩摩会議 湯之元セッションでの登壇(鹿児島 日置市)
・宇沢弘文氏没後10年記念イベントでの登壇(東京 国連大学)
・宮崎県 都城市にて講演とワークショップ
・長野県 小布施 未来構想カレッジにて講演とワークショップ
・グリーンビルディングジャパン シンポジウムにて登壇(東京 神田明神)
・喫茶ソラクラゲでの講演(東京 国分寺)
・ひのでやエコライフ研究所にて講演(京都 二条)
・カフェ LURIEにてトークイベント(東京 祐天寺)
・鹿児島 otonariにて講演(鹿児島 栄門)
・日本ファシリテーション協会東京支部にて読書会(オンライン)
・東京、北品川 再開発を考える地元住民の勉強会にて講演
・滋賀県米原市、ルッチまちづくり大学にて講演・まちあるき・ワークショップ
・福岡県 ブックスキューブリックさんにて講演
・日本最大級のエシカルイベントMOFFにて登壇(東京 原宿)
・名古屋、名城大学社会連携フォーラムにて基調講演
・サステナブル都市計画家、山崎満広さんと対談(東京・上野)
茨城放送 Luckey FM ダイバーシティニュース 藤沢烈さんとの対談 6月10日
丸善ジュンク堂、蔦屋書店、紀伊国屋書店、大垣書店など、多くの書店様で発売後1ヶ月以上にわたって平積みしていただきました。